はじめに
Khakiが7月30日に東京・WWW Xで主催公演『後期定例』を行った。Khakiと対バンしたのは今、さらに勢いに乗っている崎山蒼志である。

崎山蒼志 レポート
1曲目は、崎山蒼志の代表曲ともいえる「Samidare」。崎山の弾き語りで曲が始まり、観客の視線が一気に彼に集まる。4月まで行っていたツアー「春の滲み」ではバンド体制であったため、弾き語りの五月雨を聴いたのは久しぶりである。本当にアコースティックギター1本で演奏しているのかと思えるほどサウンドに厚みがある。ギターは鋭く、対して声は切なく温かい1曲だ。中盤でバンドメンバーが入ってきてバンド編成になった瞬間の迫力は強烈だ。その迫力のあまり、観客の多くは圧倒されていた。
彼をより一層有名にした呪術廻戦の主題歌でもある「燈」など、彼のライブでは定番ともいえる楽曲を挟みつつ、7曲目で披露した「ビジョン」。この曲は未配信であるが、彼が小さかった頃につくった楽曲でファンに親しまれている。YouTubeには、彼が12歳の時にこの曲を演奏している動画が残っている。サビで繰り返される「何度傷つけば 僕の心を許してくれるの」という歌詞が観客の心を締め付けていた。
今回の彼のライブは、Khaki主催のツーマンライブながら有名曲だけでなくマイナー楽曲も組みこんでおり、このセトリをぶつけてくることが衝撃だった。MCではKhaki愛を語っており、セトリからも彼がこのライブにかける熱量と愛を感じた。
〈セットリスト〉
1.Samidare
2.通り雨うつつのナラカ
3.覚えていたのに
4.燈
5.幽けき
6.Pale Pink
7.ビジョン(未配信)
8.I don’t wanna
9.プレデター
10.水栓

Khaki レポート
Khakiはライブでは、MCをほとんどをしないスタイルが特徴である。今回のライブにおいてもMCらしいMCはなく、軽い挨拶と感謝のことばのみ。彼らがイマ―シブ・アートロックバンドであると謳っているとおり、約1時間半、まるで映画や演劇作品を見ているような感覚に陥るほど完成されたステージだった。観客はアンコールまでだれも腕を掲げることなくただ音楽に身体を揺らしながら、ステージに引き込まれていた。
薄暗い照明、オレンジ色のライトというアングラな雰囲気の中演奏された7曲目「車輪」。冒頭ではGt.Vo中塩が、その照明に包まれながらトランペットの演奏を披露。
アンコールは「Undercurrent」#1#2#3。Khakiのメンバー5人による演奏が繰り広げられていたが、中盤で崎山くんがステージに登場し一緒に演奏するというサプライズ。Khakiのサウンドに崎山くんのアコースティックギターのサウンドが絶妙にマッチしていた。6人体制のKhakiはサウンドの厚みも迫力も段違いで、なんとも贅沢な時間だった。
Khakiはロックバンドでありながらも、ジャズやフォーク的素養を感じさせる楽曲が多く、その多彩さは聴く人を夢中にさせる引力のあるバンドだと感じる。今後このバンドがどうなっていくのか期待が高まるとともに恐ろしさを感じるライブだった。
Khakiは12月1日に都内某所にて、公演を行うという。Khakiの魅力はライブでより一層光る。是非とも足を運んでみてほしい。
〈セットリスト〉
1.違う月を見ていた
2.新曲
3.子宮
4.Kajiura
5.星の口紅
6.君のせい
7.車輪
8.萌芽
9.Thirteen
10.軽民物語
11.文明児
En.
Undercurrent #1#2#3 (崎山蒼志コラボ)
